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三面鏡の恐怖

1948年、大映東京、木々高太郎原作、久松静児監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

日本の復興にはあらゆる方面での電化が必要と考える真山十吉(上原謙)は、水力発電のためのダム工事に賭ける情熱を、山に連れてきた恋人、尾崎嘉代子(小暮実千代)に熱く語っていた。

しかし後日、建設会社の社長から娘への縁談を持ちかけられた真山は、あっさり、嘉代子を裏切り、社長令嬢と結婚してしまう。

傷心の嘉代子は、親切ごかしに近付いてきた真山の同僚、平原と結ばれる。

数年が過ぎ、真山は建設会社の社長におさまっていた。
妻は病気ですでに他界しており、実家では、妻の妹、辰美が義兄にほのかな恋心を抱いていた。
そんな真山の邸宅に、ある日一人の女性が訪れて来る。
真山は驚愕する。

かつて別れた、あの嘉代子だったからだ。
しかし、その女性は、自分は嘉代子ではなく、妹の伊都子(小暮実千代-二役)であると告げる。
姉はすでに心臓病で他界したという。

驚きながらも、伊都子と話し込む内に、いつしか真山は、伊都子を恋するようになり、二人は結婚して、真山邸に住むようになる。

面白くないのは、真山家の母親と辰美。

やがて、真山が今でも友人として付き合っていた平原が、新妻の伊都子と出会う。
平原は、伊都子が、実は自分の元妻、嘉代子本人であると疑いはじめる。

辰美も又、伊都子の正体を疑いはじめるのだった…。

そんな中、平原が謎の死を遂げる。

伊都子の本当の正体は嘉代子なのか?

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

女心そのものをミステリーに仕立てたような心理サスペンス。
ラストは、一種のリドルストーリー(観客に判断を任せる形式)になっている。

後半、探偵の落合警部役として登場して来るのは、若き日の船越英二。
彫の深い二枚目である。
上原謙の美貌振りと双璧といっても良い。

一方、妖艶な魅力の小暮実千代と、清楚なお嬢様イメージの辰美役、新宮信子との女の対決も見物。

地味なお話ではあるが、ついつい最後まで引っ張られてしまう。
クラシカルなミステリー映画としては、上々の出来といって良いと思う。