1972年、アルフレッド・ヒッチコック監督作品。
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テームズ河のクリーン化に付いて演説する政治家の前で、群集たちは、河に浮かんだ女の死体を発見する。
その首には、ネクタイが結び付けられていた。
連続絞殺魔の仕業であった。
元軍人で「空の英雄」と呼ばれていたブレ−ニー(ジョン・フィンチ)は、妻と離婚してからは、しがないバーのバーテンダーに身を持ち崩していた。
しかも、そこでの酒の盗み飲みが店主に見つかり、馘首される事に…。
その後、友人のラスク(ハリ−・フォスター)に教えられた当たり馬券も、持ち金がないため、ふいにする運のなさ。
別れた妻ブレンダが経営する結婚相談所に愚痴をいいにいったブレ−ニーだが、翌日、そのブレンダがネクタイ絞殺魔に殺害されていた。
偶然、その場を再び訪ねた所を、結婚相談所の秘書に見られていたブレ−ニーは、事件の容疑者として、警察に追われる立場となる。
唯一、彼を信じていた恋人バブスも、次の犠牲者に…。
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比較的オーソドックスなサスペンスになっている。
犯人像は、比較的早い時期に、観客には正体を明かされる。
犯人を追うのは、ロンドン警視庁のオックスフォード警部。
彼の妻が作るフランス風の珍妙な料理に、恒日頃から警部が弱り切っている描写が、全編の恐怖感を緩和するユーモア素材となっている。
後半は、誤認逮捕で刑務所に入れられたブレ−ニーが、真犯人に復讐をしようとして…という、ちょっとしたひねりが加えられているが、そこからもう一つのサスペンスが盛り上がり、急転直下、エンディングへと結びついて行く辺りの演出はさすが。
奇想さ、ショック度についてはさほどでもなく、若干地味な印象は否めないが、観て退屈する事はないと思う。
ヒッチコック後期の秀作の一本だろう。
