1964年、宝塚映画、福田純監督作品。
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ダイヤモンドの研摩は、世界数カ所に分けて行われている。
その一ケ所である神戸税関前で、そのダイヤを強奪しようと計画を仲間と打ち合わせる宇津木(田崎潤)がいた。
しかし当日、いざ計画を実行しようとした瞬間、別の一団が現れ、銃撃戦の末、ダイヤモンドを横取りしてしまう。
奪ったのは4人組。
跡部(藤木悠)、手代木(砂塚秀夫)、次郎(石立鉄男)、そして、銃弾で傷を負った小柴(佐藤允)、各々、事情を抱えた素人集団であった。
ダイヤ強奪をニュースで知った保険会社の探偵、黒木(宝田明)は、小柴の恋人である利恵(水野久美)に接近する。
4人が隠れた倉庫内では、主犯格の小柴が傷の具合が思わしくなく、奪ったダイヤの入った鞄を枕にして呻いている。
仕方なく、小柴を慕う次郎と手代木は、外科医を捜しに出かける。
一件の医院に忍び込んだ二人は、そこの娘を人質に取り、手術で外出中だった秋津(志村喬)を呼出す。
秋津は、もう老齢で、満足に手術もできない状態だったが、娘からの電話に驚き車で駆け付ける。
倉庫に案内された秋津親子は、小柴の腕から銃弾を抜き取る手術に一応成功するが、約束通りに帰してはもらえない事実を知らされる。
さらに秋津は、小柴が急性破傷風に感染していると知り、その薬を取りに行かされるはめに…。
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展開が面白い犯罪サスペンスものである。
やはり、苦悩する老医師を演ずる志村喬の存在感が、この作品をぐっと引き締めている。
ダイヤを手にして、互いに疑心暗鬼になる4人の心理描写に、人質になっている秋津親子の不安感が重なる。
さらに、利恵を使って、犯人たちに近付こうとする黒木。
警察の捜査を指揮する若き警部(夏木陽介)。
横取りされたダイヤを捜す宇津木らの行動が後半に向け集約していく。
当時の東宝お馴染みの顔ぶれが登場している中、腹黒い悪役を演じている藤木悠がちょっと珍しい。
横分けヘアであどけない顔だちの石立鉄男が新鮮!
注意してみないと気付かないくらい若いが、目元と、かん高い口調に面影がある。
なかなか見ごたえのある秀作になっている。
