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妖星ゴラス

1964年、東宝、丘見丈二郎原作、木村武脚本、本多猪四郎監督作品。

地球に接近する謎の黒色矮星ゴラスが発見され、土星に向かっていた隼号は、急遽、調査に向かうが、ゴラスの引力に飲み込まれてしまう。
やがて、地球にも影響があらわれる中、最後の手段として、地球ごと逃げると言う(!)壮大な作戦に人類は挑む事になる。
荒唐無稽と言ってしまえばそれまでだが、円谷英二の手による見事な特撮の数々は、十分に見ごたえがある。
ゴラスに引き込まれる隼号の乗組員たちが、最後に「万歳」を叫ぶ一見大時代な演出も、大スクリーン一杯に拡大された、無気味なゴラスの表面映像を目の当たりにすると、思わず手に汗を握って感情移入してしまうから不思議である。
この時代の東宝特撮はことごとく、観客が大スクリーンで観る事を前提に作られており、小さなモニターでしか観る機会のない世代には、今一つ、作品の魅力が伝わり難い所があるのは仕方ない部分かも知れない。
現実には実現間近である家庭用TV電話なども、さりげなく劇中の和風住宅内に登場させ、当時の子供たちに、言い知れない未来感覚を抱かせていたのも懐かしい。
後年のTV「ウルトラマン」で、有名になったヴィ−トル機や、イデ隊員こと二瓶正也がちょい役で顔を出しているのも見所であろう。
ゴラスの接近によってひき起こされる天変地異や、南極に組み立てられた大掛かりなロケット装置群などのシーンの特撮は、ミニチュアである事が分かっていても、ステ−ジ一杯に広がるそのパノラマ感の迫力に、思わず唸らされる程の手間ひまが費やされている。
往年の東宝特撮の底力を知るためにも、一見の価値がある作品と言える。


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