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宇宙大怪獣ドゴラ

1964年、東宝、丘美丈二郎原作、関沢新一脚本、本多猪四郎監督作品。

いわゆる「怪獣プロレス」パターンの作品が増え、ややこうした傾向の物が飽きられ始めた頃、製作陣側も新しい企画を模索していたらしい。
これは、そうした時期の作品。
単体の怪獣もので、怪し気な事件が起き、徐々にサスペンスが盛り上がっていく…という、初期のパターンを独自に練り直して作られており、実際は、宝石泥棒の物語と、炭素を食べる怪獣の話が、平行して進行していく。
北九州を怪獣が襲うシーンは出色の出来。
ただし、従来の着ぐるみ怪獣と違い、アニメーションや操演を組み合わせた、独特のやり方で表現されたドコラは、映像的に100%成功した…とは言い難いが、異色なだけに忘れがたい印象を残す。
ラストは、平行していた2つの話が一つにまとまる構成になっている。
ハッキリ言って地味な作品だが、全盛期の円谷特撮はそれなりに楽しめる作品である。