TOP

映画評index

ジャンル映画評

シリーズ作品

懐かしテレビ評

円谷英二関連作品

更新

サイドバー

敦煌

1988年、製作総指揮、徳間康快、佐藤純彌監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

科挙の試験に失敗した趙行徳(佐藤浩市)は、市場で男たちから襲われていた西夏の踊子(三田佳子)を金で助ける。

その礼として、行徳は、女から西夏への通行証を受け取る。

科挙を諦めた行徳は、後日、西夏を目指して、絵描きたちと一緒に砂漠を旅していている所を、西夏の軍隊に襲撃され、その漢人部隊に強引に入隊させられる。

その部隊の隊長は朱王礼(西田敏行)といい、文字を書く事ができる行徳を重宝がる事となる。

やがて、朱の右腕となった行徳は、攻め落とした都の残骸の仲で、一人生き残っていたその都の王女、ツルピア(中川安奈)を発見、一時かくまう事になる。

しかし、西夏皇太子(渡瀬恒彦)の命で、西夏文字の辞書作りを命ぜられた行徳、秘かに愛しあうようになったツルピアを朱に預け、自らは数年間、西夏に足留めされたまま、時間は過ぎ去って行った。

無事、任務を終え、部隊に帰った行徳は、愛しのツルピアが皇太子の目に止まり、その妻に迎えられる事実を知り愕然とするのだった。

しかし、結婚式の当日、ツルピアは、皇太子と行徳ら群集の目の前で、城から身を投げて果てる。

さらに、周辺諸国を占拠して行く皇太子は、西の都、敦煌も自らの支配下に置こうとする。
自分も、ツルピアの虜になっていた朱は、この機会を逆用し、憎むべき皇太子殺害を謀るのだったが…。

一方、行徳は、皇太子らの襲撃によって、灰燼に化そうとしていた敦煌の万感の巻物類を何とか保存しようと、戦乱の中を走り回る。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

近年、砂漠の遺跡から発見された、膨大な巻物類の謎を元に、井上靖が想像した壮大な歴史ロマンを原作として作られた大作である。

冒頭30分くらいは、「砂の惑星」を連想してしまうような、スケール感のある闘争劇に目を奪われる。

ツルピアが登場して以後は、やや失速する感じもしないでもないが、それでも、最後まで、十二分に見ごたえ感はある。

基本的に、こうしたコスチュームプレイに興味がない人には、退屈な内容かも知れないが、登場人物たちが身に付けている豪華な甲冑類など、美術的な見どころは多い。

逆に、どうしても、砂漠中心のロケが多いので、全体的に長尺である事もあり、画面的な単調さは否めない所だ。
西田敏行と佐藤浩市は好演している。

どうしても、大味になりがちな大作映画だが、本作に関する限り、想像するほど悪い出来ではなく、精神的余裕がある時などに、一度じっくり観てみる価値はあると思う。