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知りすぎていた男

1956年、アルフレッド・ヒッチコック作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

精神科医ベンジャミン・マッケンナ博士(ジェームス・スチュアート)と元歌手であった妻ジョ−(ドリス・デイ)、彼らの一人息子ハンクは、一家揃ってモロッコ旅行を楽しんでいた。

バスで移動中、ひょんな事から、ルイ・ベルナールなるフランス人と知り合う。
ところが、ルイの行動には不審な点が…。

翌日、市場に出かけたマッケンナ一家に、突如近付いて来た怪し気な男がそのままマッケンナ博士に抱き着くように崩れ落ちる。
その男の背中にはナイフが突き刺さっており、その顔は現地の人間に化けたのか、濃いメイクが施してあった。何と、その正体は、昨日知り合ったばかりのルイであったのだ。

彼は、死際に「政治家が暗殺される…」と、マッケンナ博士の耳元に呟いて息絶える。

警察に事情聴取のため、連れて行かれたマッケンナ博士の元に一本の電話がかかって来る。
「息子のハンクを預かったので、よけいな事は喋るな…」という内容。

ホテルに帰ってみると、先ほど、市場で子供を預けたドレイトン夫妻の姿も消え失せていた。

ルイの言葉を頼りに、イギリスに到着したマッケンナ夫妻、子供を捜すために、ジョ−を歓迎してホテルに集まってくれた友人たちをほったらかして、あちこちを飛び回る。

手がかりを求めて、アンブローズ教会から、某国首相暗殺現場となるアルバートホールへ。

コンサートのクライマックス、シンバルがなる瞬間に発射される暗殺者の拳銃。
この辺りの盛り上げ方は一級。

暗殺未遂に終わった礼をしたいとマッケンナ夫妻に申し出る首相。
暗殺者の黒幕と子供は、首相の近くにいるに違いないと考えた夫妻は、その言葉を利用し、大使館に乗り込んで行く。

大使館の中で披露されるジョ−の歌「ケ・セラ・セラ」。
軟禁されていたハンクは、その母親の声に気付く…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

国際的な陰謀劇と誘拐を組み合わせた、いわゆる巻き込まれ型のサスペンスだが、ホテルで長らく待たされていた友人たちの元へ、何ごともなかったかのように、マッケンナ親子が笑顔で戻って来る、ユーモラスなエンディングも洒落ている。

ヒッチコックの職人的な演出でうまくまとめられた秀作。