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めまい

1958年、アルフレッド・ヒッチコック監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

屋根伝いに犯人を追跡中、屋根から落ちそうになり、それを助けようとした同僚の警官を墜落死させてしまった刑事ジョン・スコティ・ファーガソン(J・スチュアート)は、自らの高所恐怖症を理由に警察を辞める。

そんな彼に、造船会社を経営する友人のキャビン・エルスターから奇妙な依頼が持ちかけられた。

19世紀、子供を男に奪われ、失意のまま自殺した女性の霊が、そのひ孫に当たる妻マデリン(キム・ノバク)に乗り移っているらしい。
彼女は現在、件のひいおばあさんが自殺した年令と同じ26歳になるので、最近の奇妙な行動に心配している…というのであった。

半信半疑ながら、スコティが彼女の身辺調査を始めると、確かにマデリンは不可解な行動を取っている。
サンフランシスコ湾に突然身投げしたマデリンを救ったスコティは、徐々に、彼女を愛し始めて行く。

しかし彼女は、ある日、突然、不思議な風景が見えると言い出し、現在もあるその場所に、スコティが連れて行って見ると、彼女は教会の鐘楼に駆け上がり、そのまま上から墜落死してしまう。

高所恐怖症のスコティには、鐘楼の途中までしか追跡する事ができなかったのである。

彼女の死は錯乱からの自殺と判断され、友人キャビンも遠くに去ってしまったある日、彼女を失った悲しみに暮れていたスコティは、街角でマデリンそっくりな女性に出会う。

彼女の名は、ジュディといった…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

巧妙に考え抜かれた完全犯罪が、男女の愛という要因で崩壊して行く様を描いている。

鐘楼に登る時、スコティが階段の下を見下ろすと、階下が奇妙な遠近感で遠のいて見える不思議な演出が印象的。
キャメラ移動とズームを同時に行なう、いわゆる「逆ズーム」と呼ばれる手法が効果的に使われているのだ。

妖艶なマデリンと、奔放なジュディを演じわけるキム・ノバクの怪し気なお色気も魅力。

ラストの、ちょっと唐突な悲劇性もヒッチコックらしい。

ヒッチコック作品中でも、秀でたサスペンスものの一本だと思う。