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大巨獣ガッパ

1967年、日活、渡辺明原案、山崎巌+中西隆三脚本、野口晴康監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

♪宇宙の神秘〜、その名はガッパ、ガッパ〜ア〜、ガッパ〜ア〜、ガッパ〜ア〜、ガッパ〜ア〜…。

キャサリン諸島オベリスク島に、一席の船が近付いていた。

大成功した出版社プレイメイト社が、観光事業に乗り出す一環として計画した「プレイメイトランド」というテーマパーク用に、動物を収集するために派遣された社員黒崎(川地民夫)と、キャメラマン小柳(山本陽子)、東都大学の生物研究班、殿岡(小高雄二)、町田(和田浩治)、ジョージ井上(藤竜也)、林三郎、通称サブちゃん(桂小かん)らの混成チームが乗る「かもめ丸」であった。

甲板で一人、釣りをしていたサブちゃんは、不気味に光る二つの物体を釣り上げて驚き、他のメンバーに知らせるが、戻ってみると、その光は消えていた。

黒崎が望遠鏡で島の様子を伺うと、噴火する山が見える。
さらにその山肌には巨大な石像が見えた。

上陸した彼ら一行を待ち受けていたのは、原住民たち。

長老は「中隊長は誰か?」と、日本語で尋ねてくる。
どうやら、戦時中、日本軍が駐留していたらしい。
日本人の帰還を喜び、踊り歓迎する原住民たち。

黒崎と小柳は、そうした騒ぎを避け、嫌がる現地の少年サキに無理矢理先導させ、船から見つけた巨大石像の場所へ案内させる。
遅れて、二人の後を追うサブちゃんは、ジャングル内で、巨大な頭のマンガちっくなプテラノドンに遭遇。
突如起こった巨大地震でその石像は、到着した黒崎らの目前で崩壊、その背後に妖しく紫色に光る洞くつが現れる。

サキを帰し、洞くつの中に入り込んだ黒崎と小柳は、そこで巨大な卵を発見する。
その卵は、二人の目の前で孵り、中から、不思議な生物の子供が誕生する。

「ガッパが怒る」と必至に阻止しようとする長老の言葉も聞かず、メンバーたちは、その子供怪獣を檻に入れ、船で日本へ持ち帰ってしまう。

その頃、洞窟内の湖から、妖し気な光と共に、二つの巨大な影が出現、二匹の親ガッパであった。

東都大学背物研究所に収容された小ガッパを狂ったように弄ぶ、プレイメイト社社長。

日本上空に接近する二つの巨大な影が旅客機と異常接近する。
やがて、相模湾方向へ飛び去った謎の生物は、熱海の海中から出現する。

母ガッパの口には、小ガッパに食べさせるためか、生鮹がくわえられている。
彼らを迎え撃つ自衛隊の戦車隊は、二匹の吐く青い光線で破壊され尽くす。

熱海城を破壊した二匹は、そのまま飛び立ち、富士山の見える湖へ身を没する。

3万サイクルの音波発振器を取り付けたボートを湖へ沈め、ガッパをおびき出そうとする殿岡と自衛隊。

水面に浮上したニ匹にミサイルが発射される。
苦しむ夫婦ガッパ。

しかし、再び飛び立ったガッパは、日光、華厳の滝などに姿を現す。

もはや、小ガッパを返すしか方法はないと悟った黒崎たちは、反対するプレイメイト社社長を振りきり、小ガッパを飛行船に吊るし、羽田空港へ。

その小ガッパの泣き声に気付かず、工業地帯を破壊する親ガッパ。

最後の手段として、サブちゃんが録音していた小ガッパの声を拡声器で流し、ようやく親たちは気付く。

羽田で無事再会を果たした親子ガッパ。
母はうんうんと頷き、大きくなったわね〜…と言うがごとく、小ガッパの肩を叩いて涙に耽る。

その様子を見守っていた父ガッパの目からも、大粒に涙が…。

「良かったわね〜。あんなに喜んでいるんですもの」と、プレイメイト社社長に語りかける一人娘の鶴子ちゃん。その言葉に頷く社長と鶴子ちゃんの手は、いつしか握りしめられていた。

飛び立つ三匹のガッパ。

それを見送った小柳は、キャメラマンを辞め、普通の女性に戻ると告げ、黒崎と殿岡の前から去って行く。
その後を追う黒崎…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

正直、怪獣映画の部分より、ラスト、男の誘いを蹴り、颯爽と我が道を行くさばさばした女性を演じている山本陽子の姿が一番印象に残る作品である。

怪獣部分に関しては、体長100mと言うあまりの巨大さが災いし、都市破壊などの部分が大味になってしまっている。

ただ、観光地との合成をやっているだけみたいな部分も見受けられ、同時期に作られた松竹の「ギララ」同様、あまり恐怖ものになっていないのが辛い。

冒頭のオベリスク島などのシーンは、なかなか古典怪獣もの風で悪くはないのだが、いかんせん、日本にやって来てからが凡庸。

ガッパの母親が、(作り物も加え)終始生ダコをくわえているバージョンと、足が丸まったゆでだこをくわえているバージョンがあるのが不思議でもある。

いくら何でも、ゆでだこは編集上、繋がらないと思うのだが…