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超少女REIKO

1991年、東宝、大河原孝夫監督作品。

第13回城戸賞の準入賞作である大河原氏自身の脚本を、自ら映画化したもの。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

ある年の9月27日、香陵高校の生徒会長、緒方四郎が職員室にいた山川先生(佐藤浩市)に、校内に様々な怪奇現象が起こっているので、自分達がESP研究会を結成して、その調査をしたいと申し出ている。

全く取り合おうとしなかった山川先生だったが、話の途中に早速怪奇現象が起きてしまう。

現場で慌てふためく研究会のメンバーたちをよそに、敢然とその怪奇現象に立ち向かったのが、唯一の1年生メンバーで、演劇部にも所属している美少女、九藤玲子(観月ありさ)であった。

彼女は、有名な霊能力者、九藤光霊(菅井きん)の孫であり、自らも特殊な能力を持っていたのだ。

その場の騒ぎは、一旦おさまったものの、メンバーたちは、その後も独自に、校内の怪奇現象を調査して行くうちに、ある夜、見なれぬ制服姿の一人の少女の霊と遭遇する。

後日、緒方らに請われて、その少女の正体を暴こうと、九藤玲子は夜の教室内で降霊会を執り行なう事になる。
彼らの行動に反対していた山川先生も、どういう訳か、成りゆきでその場に同席するはめに…。

降霊会が始まると、間もなく、ラップ現象が始まり、気が付いてみると少女の霊が出現、テーブルで手を繋ぎあっていたはずのメンバーたちの身体は、いつの間にか、どこかの海の上空に浮遊していた。
何とか元の世界に戻ろうと焦るメンバーと山川先生。

その霊現象を自宅で察知した九藤光霊は、ただちに、息子(佐藤B作)の運転する車に乗って、夜の学校へ向かう。

学校の屋上、玲子の身体を乗っ取ってしまった謎の霊を除霊するため、光霊は、自らの身体に霊を誘き寄せ、一旦は成功したかに見えたのだが、光霊は何故かふらつき、屋上から落下してしまう。

一命は取り留めたものの、病院で絶対安静を余儀無くされた光霊と、その看護に当たる玲子。

そんな中、学校では、例年通り、文化祭が始まり、そこで、再び、想像を絶する怪奇現象が起こり始める…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

前半は、いわゆる「学校の怪談」パターンであるが、そこに途中からひねりが加えられており、後半はサイキック・ウォーズ…というか、「ねらわれた学園」風の展開になって行く。

正直、前半は、予算の少なさ、若い出演者たちの技量不足や監督の初演出らしい未熟さが感じられ、特撮アクションのキレや迫力は今一つなのだが、それでも不思議と、観ていて退屈しない。

やはり、話に工夫があるからである。
特に、後半は、それなりの見ごたえがある。

特撮も、一つ一つ観て行けば、意外とていねいに作られている事が分かる。
クライマックス、文化祭の教室で上映されている映画は「さよならジュピター」で、効果的に活用してある。

小泉今日子、島崎和歌子、筒井道隆などの登場も、今観ると楽しい。

「意外な掘り出し物」…といった感じの、秀作。
全編、ニコリともしない観月ありさの凛々しさも忘れがたい。