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鷲と鷹

1957年、日活、井上梅次監督作品。
助監督は舛田利雄。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

夜の倉庫街、一人の酔っ払いが背後から聞こえて来る口笛の音色におびえて逃げ出す。
近付く口笛とジーンズの足元…。
やがて、酔っ払いはナイフで刺殺される。

海洋丸出航の日、船員組合から派遣されたという補充要員が、何故か二人も乗り込んで来る。
どちらもジーンズ姿の若者である。
一人は野村千吉(石原裕次郎)、もう一人は佐々木敬三(三國連太郎)と名乗り、何やら共に事情がありそうな感じ。
最初は互いに、いがみ合ったりするが、その内、相手の度量を認め合い、意気投合していく仲に…。

父親が刺殺された一等航海士の吾郎(長門裕之)が、警察の事情聴取を終え、遅れて乗り込んで来る。
出航後、船長鬼鮫(二本柳寛)の娘、明子(浅丘ルリ子)と千吉に首ったけの女、朱美(月丘夢路)が密航していた事が発覚。

鬼鮫もまた、船内のどこかから聞こえて来る口笛のメロディにおびえる。

長身の好男子、千吉の魅力に惹かれていく明子であったが、そんな中、船上では、ライフボートが消失したり、無電が破壊させたりする怪事件が続出するようになる。

船員のおっかあ(柳沢真一)とひこ(西村晃)は、船底の積み荷であった洋酒が、ほとんど水に摺り替えられていた事と火薬を発見する。

保険金目当ての偽装沈没の企みに気付いた佐々木、千吉、吾郎らは一致協力して、暴風雨の中、沈没しそうになる海洋丸を救うために、互いの身体をロープで繋いで、外れた碇を巻き戻しに行く…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

海を舞台にした、爽やかな男同士の友情物語を、ミステリータッチのサスペンス趣味も加えて描いている。
若い裕次郎と、三國連太郎のスリムな肉体とキャラクターの魅力がぶつかり合う。
生真面目そうな役柄を演ずる長門裕之の姿も瑞々しい。

お嬢さんっぽい浅丘ルリ子と、お姐さん風の月丘夢路の美しさも見どころ。

乱暴者の船員、松を演じる、名悪役、安部徹の若さにも驚かされる。

後半、嵐を表現する凄いセットの迫力も相まって、本編は海洋娯楽映画として、見どころ満載の非常に良く出来た作品になっていると思う。

とにかく、圧倒的にスリムでやんちゃそうな顔つきの裕次郎を見るだけでも、一見の価値はあるだろう。
甘い歌声も披露される。