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雨月物語

1953年、大映、溝口健二監督作品。
ベネチア映画祭銀獅子賞受賞作。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

戦国時代、村で陶器を焼いて暮している源十郎(森雅之)と、侍になりたがっている義弟、藤兵衛(小沢栄)には、各々、宮城(田中絹代)と阿浜(水戸光子)という女房がおり、共につましく暮していた。

ある日、思いもかけぬ大金を稼いだ源十郎は、人が変わったように、金儲けのために、大量の陶器を焼きはじめる。

しかし、途中で侍達が村に乱入して来たため、やむなく村人達は山に避難、夜、恐る恐る帰宅してみた源十郎は、何とか無事に焼き上がっていた陶器類を発見、狂喜すると同時に、家族総出で、すぐに街に売りに出かける決心をする。

しかし、途中で、海賊に襲われた小舟と遭遇、子供連れだった宮城だけが、村に残って留守を守る事に…。

さっそく街で商いを始めた源十郎だったが、高貴な身分に見える妖しく美しい若狭(京マチ子)という女が客として現れた事がきっかけとなり、商品を届けた女の屋敷で、その女の魔性に惹かれるままに、一緒に暮し始める。

一方、藤兵衛の方は、稼いだ金で鎧具足と槍を購入、戦乱のドサクサに紛れて、大将首を奪い取る事に成功、家来と馬を賞金として得、いっぱしの侍になったつもりで、村に凱旋しようとする。

途中に立ち寄った遊廓で、藤兵衛は、街で別れた後、男達に陵辱され娼妓に身を落としていた女房、阿浜と遭遇、自分の愚かさを知る。

源十郎の方は、外で出会った修行僧に呼び止められ、魔性のものに取り付かれているから逃れるように説得されると、身体に魔よけの梵字を書き込まれ一旦屋敷に帰宅。
若狭の亡霊を振り切るように、屋敷から逃れた源十郎は、何もかも失い、ほうほうの態で懐かしい村に帰り付くのであった。

そこで彼を待っていたものは…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

京マチ子の妖艶な美しさとは対照的に、素朴な日本人女性を演じる田中絹代が素晴らしい。

教訓めいた内容が、今観ると、やや鼻に付く感じもなくはないが、じっくり撮られた寓話として、今でも見ごたえ感は十分にある。