TOP

映画評index

ジャンル映画評

シリーズ作品

懐かしテレビ評

円谷英二関連作品

更新

サイドバー

東京の暴れん坊

1960年、日活、斉藤武市監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

大学で後輩たち相手にレスリングを教えている、フランス帰りで、銀座の洋食屋「キッチンジロウ」のニ代目次郎(小林旭)、彼は「銀座の次郎長」と呼ばれている人気者。
同じ大学のフェンシング部に所属し、次郎に気がある、銀座で唯一の銭湯「松の湯」の娘、秀子(浅丘ルリ子)。
そんな彼女の姿を、体育館の片隅から、値踏みするように見つめる浅井代議士(三島雅男)の姿があった。

銭湯の男湯で一人汗を流している次郎の歌声に聞き惚れた、女湯の客同士が喧嘩を始めてしまう。
秀子に頼まれ、渋々、仲裁にはいった次郎だったが、喧嘩している女性たちの前で、腰に巻いたタオルがパラリ…。

そんな次郎の店に、前総理だった一本槍鬼左衛門(小川虎之助)の乗る自動車が突っ込む事件が起きる。
ワンマン体質で詫びる事もなく、約束の会見に急ごうとする一本槍の態度にキレた次郎は、江戸っ子らしい啖呵を斬る。

その騒ぎを聞き付けた銀座のやくざグループ「台風クラブ」の面々が店を訪れ、一本槍との交渉を自分達に任せろと切り出すが、次郎は頭から相手にしない。

後日、勝手に一本槍邸を訪れ、キッチンジロウの名前を騙り、ゆすりを始めた台風クラブの前に次郎が現れる。

海岸で台風クラブの面々と大立ち回りを演じる次郎の前に、槍を持った一本槍が駆け参じ、やくざ者たちを蹴散らしてしまうのだった。

次郎の気っ風に惚れた一本槍と台風クラブの千吉(近藤宏)。
店は、一本槍の計らいで元より立派な改装をする事が出来た。
千吉は足を洗い、キッチンジロウで働く事に。

新装開店の中、キッチンジロウに駆け込んで来たバーのママ、リラ子(中原早苗)から、別々の日に相手をしていた3人のパトロン(十朱久雄、小沢昭一、藤村有弘)から詰め寄られ、つい、自分の本命は次郎だと告白してしまったからよろしく…などと、虫の良い依頼をされ困惑する次郎。

結局、二人の身替わりになったバーの従業員トシ子とその客で恋人のシルエットを見て、三人のパトロンは諦める事に…。

しかし、その後、身ごもったトシ子はその恋人に逃げられてしまい、みんなでキャンプへ出かけた先で自殺をはかる。

事情を知った次郎らは義憤を感じ、逃げた恋人を捜すのだったが、その相手は、松の湯を奪おうと、秀子との計略結婚を画策していた、浅井代議士の息子であった事が判明する…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

翌1961年から始まった、東宝の「若大将シリーズ」にそっくりである事にまず驚かされる。
歌がうまくてスポーツマン、気っ風が良くて、女性たちからモテモテのニ代目の若旦那…、全く同じ設定である。

加山雄三の若大将シリーズは、同じ東宝の「大学のお姐ちゃん」が、発想のベースにあるのではないかと思われるのだが、ひょっとすると、こちらの日活シリーズの影響もあるのかも知れない。

とにかく、明るく楽しい青春活劇になっている。
次郎の父親を演じているのは、「男はつらいよ」シリーズで初代おいちゃん役を演じた森川信。