1960年、東宝、杉江敏男監督作品。

有名な「忠臣蔵」の話を、現代のサラリーマンものに置き換えて作られた作品の前編。

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赤穂産業の専務、大石良雄（森繁久彌）は、フランスのアマン商会との契約のため、ヨーロッパに旅立つ前夜、ニ代目社長の浅野卓也（池部良）と久しぶりに酒を酌み交わしていた。

妻に先立たれ、独り身だった社長に、何故か結婚をためらっているかに見える愛人の芸者、加代次（新珠三千代）との仲を確認する大石。
加代次の方が、自分の身分を気にしているとの返事。

その浅野、大石が旅立った後、海外からの経済視察団を迎えるレセプションの会場で、歓迎委員の一人で丸菱銀行頭取、吉良剛之介（東野英次郎）から、加代次との仲を嘲笑されたため激昂し、その場で、吉良の顔面を殴りつけてしまう。

かねてより、吉良とは反発する仲だった、浅野の盟友で若狭金属社長、桃井和雄（三船敏郎）も、その場ではどうする事もできない。

ただちに歓迎委員たちから謹慎を言い渡された浅野社長、会社から一人で山へ車で出かけた後、崖から転落死してしまう。

浅野亡き後に、三代目社長に就任したのが、吉良剛之介。
急遽、帰国を果たし、泉岳寺の浅野の墓前から会社に戻った大石専務、新社長の強引な内部改革にも黙って耐える日々が続く。

初代社長からの念願だったアマン商会との契約を、直前になって吉良社長から断れと命ぜられた大石、独断で、先方と個人名儀での契約を結び、新社長歓迎の宴席で、赤穂浪士の扮装に身をまとい、吉良に辞表を叩き付けるのであった…。

 

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大石の息子、力役に夏木陽介。
大石の専属運転手、寺岡に小林桂樹。
小野寺課長に加東大介。
新社長を嫌い、すぐに退社してしまうエレベーターガールに中島そのみ。
新社長にこびヘつらう大野常務に有島一郎、その馬鹿息子、定五郎に三橋達也。
浅野社長の秘書で、タイピストで寺岡の妹でもある大石の専属運転手に軽子と恋仲である早野寛平に宝田明。若狭金属の角川専務に志村喬…と、豪華オールスター総出演の娯楽作品になっている。