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日本一のホラ吹き男

1964年、東宝、古澤憲吾監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

初等(はじめ・ひとし)は、来るべき東京オリンピック出場候補の三段跳び選手。

ところが、練習中、アキレス腱を切ってしまい、そのまま、故郷の実家に帰るはめになる。
オリンピック候補の夢も消え、悔し紛れに、郵便屋の自転車に同乗、帰宅する途中の初等、自分の家の土地を工事中の人夫たちが、大きな瓶を掘り出したと騒いでいる現場に遭遇、その壷の所有権は自分にあると主張する。
しかし、その瓶から出て来たのは、汚い古文書一冊。
呼んでみると、御先祖様ホラ吹き等之助の自伝であった。

等之助は、いった事は必ず実行する男。
次々と強い相手を討ち負かしては、出世をしていったと記されている。(この部分、時代劇で再現されている)

その古文書に感激した等、東京の西北大学に戻ると、教授(高田稔)に日本一の会社を尋ねる。
増益電機の名を教えられた等は、さっそく、増田益左衛門(曽我廼家明蝶)の自伝を立ち読みで勉強、面接に出かけるものの、あえなく失敗。

入社に成功した同級生、宮本(安田伸)に莫迦にされながらも、等はめげず、臨時雇いの警備員として増益電機に入り込んでしまう。

社長の運転手(桜井センリ)から、社長が毎朝、一人でゴルフをやっている情報を仕入れた等、またもや、にわか勉強でゴルフの知識を仕入れた後、社長に接近、瞬く間に、気に入られてしまい、あっさり正社員に。

資料課という閑職に回された等、その待遇もポジティブに考え、会社に住み込むと、昼夜を問わず、仕事にまい進し、組合員である同僚たちとの折り合いも悪くなったため、仕方なく会社は、わずか入社1ヶ月で等を宣伝部の係長に昇進させてしまう。

今度は、会社の研究所に出かけた初等、研究員たちから新製品の情報を仕入れるために、ホラ話として、冷暖房が一挙にできる魔法の電球の話をしたところ、何とそれは、お蔵入りになっていた実際の研究だった事が判明。
等は勝手に、テレビで大々的に、出来てもいない、その新製品の宣伝をやってしまう。

全国から注文が殺到した会社は大慌て!
ただちに、その新製品開発は実行に移され、会社の売り上げはたちまち2倍に跳ね上がってしまう。

等は、社長付きの課長に昇進。
入社試験の時以来、アタックを続けていた会社のアイドル、南部可那子(浜美枝)も、さすがに、この男のバイタリティには一目を置くようになり、デートに応ずるようになる。

アフリカの新興国に発電機を売るため、増益電機はライバルの丸々電機と張り合うようになる。
等は、その落札勝負に勝つために、丸々会社の西條社長(江川宇礼雄)の愛人である銀座のバーのマダム、清水花江(草笛光子)に接近、相手の罠に引っ掛かったように見せ掛け、逆にこちらが勝利する。

しかし、予定価格より、格段に安く契約をしてしまった等に、社長はまたしても激怒、彼を馘首する事に…。
それでも、等の思惑通り、新興国からは感謝され、会社に大量の注文が舞い込んだ事を知った社長、等と可那子の結婚式に、仲人として出席し、等に深く詫びるのだった。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

お馴染みの植木等演ずる主人公が、徹底的にポジティブな考え方を実行し、三段跳びのように、明るく調子良く出世をしていく…というコメディ。

馬鹿馬鹿しいといってしまえばそれまでだが、とにかく、観ているだけで幸せになれる楽しさ一杯のファンタジーでもある。

暗い世相の今、元気のない人には、ぜひとも観てもらいたい傑作の一本である。