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狂った野獣

1976年、東映京都、中島貞夫脚本&監督作品。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

舞台は京都。
宝石泥棒のニュースが流れる中、一人の女性が電話をしている。
待ち合わせの相手がバスで来るという知らせに、ちょっといらついている様子。

一方、同じく京都の銀行で、2人組の強盗がガードマンの制止を振りきり逃亡、停留所から発車真際だったバスに乗り込むと、運転手に包丁を突き付け、ノンストップの逃避行を始める。
彼らが持っている武器は、拳銃、包丁、爆弾、スパナなど…。

バスに乗っていたのは、おばちゃん、おじちゃん、不倫関係にある小学校教師と児童の母親、高齢者無料パスを持つじいさん、ちんどん屋のメンバー、子供、若い女性、そして、最後尾にはサングラスをし、バイオリンのケースを大事そうに抱えている、どこか謎めいた雰囲気を持つ男…。

最初は、驚いていた乗客らだったが、次第に反抗的になる者、犯人をなめてかかる者、ヒステリー状態になる者など反応が分かれて来る。

バスジャック発生を知ったバス会社では、驚愕すると同時に、運転手に心筋梗塞の持病がありながら、本人の強い希望で、それを黙認して勤務に付かせていた事実が発覚する。

警察も、必死の捜査を開始するが、なかなか目的のバスを発見する事ができない。

基本的には、パニックサスペンスものなのだが、前半部では特にユーモア感覚が随所にちりばめられており、緊張と緩和のリズムが非常にうまくいっている。

何をやってもうまくいかない若者二人(川谷拓三、片桐竜次)が、次第に乗客をコントロールできなくなっていく様が面白い。一旦は、バスから逃げ出す事に成功した怪し気な男であったが、バイオリンケースをバスに残して来たため、バスをチャリで追い掛け始める。

やがて、再びバスに乗り込んだ怪し気な男(渡瀬恒彦)と、冒頭にでて来た女性の正体が明らかにされ、物語は新しい展開が始まる。

間の悪い事に、運転手は心筋梗塞を起こし、運転中死亡してしまう。
慌てふためく強盗たち。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

ここからは、完全に和製「スピード」の世界になっていく。
暴走に次ぐ暴走!
もはや誰に求められない状態に…。
強盗2人組も、もはや放心状態。

とにかくアイデアが満載で、最後まで飽きさせない手腕は見事というしかない。
バスを追い掛ける白バイ警官、室田日出男や、ちんどん屋を演ずる志賀勝ら「ピラニア軍団」のおとぼけ演技も笑える。

疾走感溢れる、70年代らしいノンストップサスペンスの秀作!