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スターウォ−ズ
帝国の逆襲

空前の大ヒットを記録した前作を受けて、当初、この作品は、共和国側の大掛かりな撤退の旅を描く予定であった。
ところが、SFX(この言葉が出来たのもこの頃)で、一躍注目された、ジョン・ダイクストラが、「ダイクストラ・フレックス(モーション・コントロ−ルキャメラ)」と共に、TVの「宇宙空母ギャラクティカ」に参加。
この内容があまりに、予定されていた「SW」の続編に似ているため、ダイクストラがアイデアも盗んだのではないかと、一時は大問題に発展する。
やがて、ルーカスは大幅に構想を練り直し、今の話に変更したと言われている。
前作での、映画会社からの横槍に懲りたルーカスは、自分自身がプロデューサーになり、会社には配給だけを任せる体制にした後、監督には、かつての映画大学時代の恩師、アービン・カーシュナーを起用。
恩師が撮ったフイルムを、当人の目の前で、教え子だったルーカスが、どんどん、編集していくという、異常とも言える状態で、作品は作られて行ったと言う。
しかし、元々、ルーカスは、監督より、編集に才能があったと見え、作品は、前作以上のスピード感とアイデアに溢れた傑作活劇に仕上がっている。
劇中、もっとも印象的なキャラクタ−、スノー・ウォーカーは、元々、普通の戦車スタイルで準備が進められていたが、シド・ミードの画集に納められた「ウォ−キング・カーゴ」という一枚の絵に触発され、急遽、アイデアを練り直した物らしい。
又、従来のストップモ−ション(コマ撮り)では、解決出来なかった、「モデルの動きのギクシャク感」を払拭する方法として、「ゴー・モーション」技術が考案される。これが、トーン・トーンなどの動きに、より自然な動きを可能にする事になる。
ドラマも、レイアとハン・ソロの愛情表現を加えたり、ルークとベイダ−との衝撃の関係を明らかにするなど、大人も楽しめる膨らみを持たせる事に成功しており、尻切れトンボ状態でラストを迎えるという、通常の大作では考えられない構成が取られているにも関わらず、今でも、シリーズNo.1の呼び声が高い傑作になり得ている。
劇中、登場する、「ヨ−ダ」や、「チキン・ウォーカー」、「ボバ・フェット」などの、数々の魅力的なキャラクタ−にも、大勢のマニアがこの作品に魅せられた原因がある事は疑いない。
この作品の、国際版ポスターは、日本人イラストレーター生頼氏が担当した事も当時、話題になったが、これは、一作目のヒットの後、ルーカスが、世界中の「SW」関係の情報を集めている最中、目に止まった、徳間書店のムック本に、彼の作品が載っていたのに、感激したためと言われている。
ちなみに、日本公開版の映画には、この作品だけ、何故か、日本語のタイトルテロップが流れる。