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鴛鴦歌合戦

戦前の1939年、日活京都作品。
監督、マキノ正博。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

貧乏長家に住む志村狂斉(志村喬)の娘お春は、傘貼りの仕事を手伝いながらも、父親の骨董収集癖にほとほと困り果てておりました。
食べるにも事欠く始末で、毎日、「麦こがし」で空腹をまぎらわせるような極貧状態。

ただ、それよりもお春が気を揉んでいるのは、隣に住む浪人、浅野禮三郎(片岡千恵蔵)がもて過ぎる事。毎日、表面上はけんかばかりしている二人でしたが、本当は互いに憎からず思っていたからです。

今日も、料亭のモテモテ娘、お富と鉢合わせ。
浅野をめぐって、恋の鞘当てを演じ合います。

一方、女と骨董には目のないバカ殿(ディック・ミネ)は、今日も家臣を引き連れ、町で女あさり。
その家臣の一人が、浅野の叔父に当たり、娘の藤尾との婚礼を浅野に迫ります。
藤尾は、浅野への「恋患い」から、寝込んでしまう始末。
お春はそんな状態を知り、気が気ではありません。

ある日、馴染みの骨董屋で鉢合わせした殿様は、偶然出くわした狂斉の人柄に惚れ、50両の掛け軸を買い与えたのを縁に、貧乏長家を訪れるのですが、そこで出会ったお春に一目惚れ、後日、妾になってくれと使いを寄越しますが、狂斉は承知しません。

ならば、50両を返せと迫る家臣に、承諾した狂斉は、先日もらった掛け軸をはじめ、自慢の骨董品を売ろうとしますが、全て「偽物」「がらくた」ばかりで、全て売っても9両にしかなりません。

自分の道楽を後悔し、とうとう、お春と共に夜逃げを計画します。
その頃、殿様の方は、何とか、お春を略奪して来るよう家来達に命ずるのでした…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

ストーリー自体はどうという事はありません。
面白いのは、この作品、全編がユーモラスなミュージカル仕立てになっている事。

和傘の模様も水玉模様などモダンなスタイル。
娘達の言葉使いも現代風(戦前の…ですが)で、全員とても可愛らしく見えます。
特に、お春の「ちぇ〜っ!」という、可愛い舌打ち言葉は新鮮かつチャーミング!

「待って居た男」(1942)での、山田五十鈴が愛らしく描かれていた事からしても、マキノ監督お得意の演出だったのでしょう。

特に、志村喬の歌と、時折見せる、吉本新喜劇まがいの演技には驚かされます。(殿様から掛け軸を買ってもらった時、「ほんま…かいな?」と、突然、大阪弁になります)
片岡千恵蔵も歌うシーンがあるのですが、こちらは「吹き替え」ではないでしょうか?(声は確かに似ているのですが…)

ラストは教訓めいたオチも用意してあるのですが、何よりも、とにかく明るく楽しいミュージカルコメディとして、文句なく楽しめます。


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