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大坂城物語

「大阪城物語」(1961)稲垣浩監督作品です。

特撮マニアの方なら、一度はこのタイトルや、ちょっとしたビルくらいの大きさもある、とてつもなくバカでかい大阪城のミニチュア(?)の写真をご覧になった事があるのではないでしょうか?

全く予備知識がありませんでしたので、退屈な歴史劇だったら嫌だな〜と思っていたのですが、とんでもありませんでした。
波乱万丈!血沸き肉踊る冒険大活劇です!

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

盛大に大仏開眼の儀式を執り行っていた豊臣秀頼(岩井半四郎)の元に、徳川からの使者(藤田進)が到着、儀式の中止を命じます。釣り鐘に家康を愚ろうする文字が入っているから…という有名なエピソードですね。(「国家安康」でしたか…?自信なし)

かねてより、徳川の処遇に不満を抱いていた淀君(山田五十鈴…退院おめでとうございます!)は、この事をきっかけに、徳川と一戦を交える決意を固めます。

こうした、戦の噂で浮き足立つ大阪の町が舞台です。

田舎から、戦で活躍する野望を持って大阪へやってきた乱暴者「鬼の茂平」(三船敏郎)は、さっそく、気に食わない古道具屋(上田吉二郎)とけんかを始めますが、偶然にも、茂平とは乳兄弟の弟で、今は加藤家の姫で、盲目の美女(久我美子)の元で、戦を止めさせようと画策していた豊臣方の侍、薄野隼人之庄(漢字は聞こえた音に勝手に私が当てた字です)(平田昭彦)の一党を襲う、謎の修験者軍団(首領を演じるは、田崎潤!絶品!!)に出くわし、橋に吊り下げられてしまいます。

その茂平の窮地を助けた旅人姿の男は、真田幸村の家来、霧隠才蔵!

隼人らに味方する謎の美女あい(香川京子)や、伊丹屋童鬼と名乗る怪し気な商人と知り合った茂平は、大阪城の秘密の抜け道を通って、幽閉されている千姫(星由利子)を助け出すよう命ぜられるのでした。抜け穴の中には、こうもりや蛇がウジャウジャ…。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

とにかく、全編、アクション、アクション、見せ場、見せ場の連続で、正に時代劇版「インディ・ジョーンズ」。

ポルトガル船に誘拐されたあいを助けに、茂平と才蔵が駆け付けるシーンなど、ちゃんと実物大の船のセットが作られていますし(ポルトガルとの通訳を演じているのは天本英世!得意なのはスペイン語だけではなかったようです)、大阪の町並みも広大な野外セットが作られていて、数百人の町人や侍達の出演もあって見応え十分。

若き丹波哲郎(確か「宇宙からのメッセージ」にも出てませんでした?)、夏木陽介はじめ、東宝お馴染みのメンバーが多数出演しています。

クライマックスは「大阪冬の陣」に突入する訳ですが、後半の展開は、やや駆け足気味…というか、ダイジェスト風なのが、ちょっと惜しいかな…というくらいで、こんな面白い時代劇は久々でした。

黄金時代の日本映画、恐るべし!!