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ゴジラ・エビラ・モスラ
南海の大決闘

1966年、東宝、関沢新一脚本、福田純監督作品。

前作の「怪獣大戦争」辺りから、子供向け指向が強まったのと同時に、予算も削られ、かつてのような大作感は薄れていった時期の作品。
日本人が海で嵐に会い、謎の島に漂着する…と言うお馴染みのパターンのお話である。
その島には「赤い竹」と言う秘密結社が住んでおり、島の近海には、巨大な伊勢海老を思わせるエビラが潜んでいたのだ。
悪役で平田昭彦が出演しているのが、注目されるくらいで、小さな島に舞台が限定されている事もあり、特に大掛かりなスペクタクルは影をひそめている。
ゴジラやモスラは、何となくゲスト出演のような扱いで、人間を中心としたスパイ活劇のような内容になっているのが本作の特長と言うべきか。
それでも、海でのエビラ出現のシーンや、洞窟内で眠るゴジラのシーンなどには、それなりにムードがあり、晩年の円谷英二の目が光っていた感じは残っている。
クルリとした目が愛くるしい頃のゴジラが楽しめる。
なお、この作品に登場する小美人は、ザ・ピーナッツに代わり、ペア・バンビが努めている。