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コクーン

フロリダかどこかの、海辺のリゾート地。
その地区の老人ホームにいる老人仲間たちは、ある日、謎の屋敷にある屋内プールで、こっそり泳ぐ楽しみを覚えたのだが、不思議な事に、彼らの肉体には「若さ」が、よみがえる。
そのプールには、謎めいたの若者グループが、メキシコ湾の海底から引き上げた、不思議な「繭」のような物が、沈めてあったのだ。
やがて、異常な若さを取り戻した老人たちの行動に気付いた、他の老人たちも、我先にとプールに押し掛ける騒ぎとなった。
しかし、その「繭」とは、実は…。と言うお話。老いを迎えた人間の姿。希望のない生活。SF的設定に、「救い」を求めるかのような内容。
一見、重く、暗くなりがちなテーマを、明るいリゾート地や、ちょっと、軽いノリの船長、そして元気な老人などを中心に置く事などで、爽やかな娯楽映画に仕立て上げた監督の手腕は、高く買って良いだろう。
元々、「空飛ぶ円盤目撃」は、昔の「天使目撃」などの奇跡願望に変わる、人間の潜在的欲求が原因だとする説もあるらしいから、あながち、この作品のアイデアも、荒唐無稽とばかりは言えないのかも知れない。
俳優から監督業に転進した、ロン・ハワードの、出世作となった作品。