TOP

映画評index

サイドバー

トワイライトゾーン
超次元の体験

当時、若手として注目を集めていた作家が集まって作ったオムニバス作品。
冒頭、夜のハイウェイを車で走る二人の若者が、暇つぶしに懐かしいTVドラマの主題歌を、各々が歌い合うシーンが、巧みで面白い。
やがて、二人は「トワイライトゾーン」の主題歌を思い出す趣向になっているのだ。
そこから、テーマソングとタイトルが始まる…。
老人ホームで起きる不思議な「ピーターパン」を連想させるエピソードを担当したスピルバーグは、後年「フック」で同様のオマージュを再現させる。
人種差別を扱った一篇に主演した、往年の人気TVドラマ「コンバット」のビッグ・モローが、この作品の撮影中に不慮の事故に合い、亡くなったのは残念と言うしかない。
内容自体も、途中で大幅に作り直したため、いくぶん完成度が弱まっているのも惜しい気がする。
コミック好きなジョー・ダンテの怪奇と幻想が混在した作品や、空中に存在する…と言われている妖怪(?)を、テーマにした航空サスペンスなど、それぞれ短編であるだけに、少しドラマとしては物足らなさも感じるが、一篇づつ違った作家の個性が楽しめる佳品そろいの作品群になっている、と言えよう。