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てなもんや東海道

1966年、松林宗恵監督作品。

テレビ初期の人気番組「てなもんや三度笠」の映画版シリーズ第3作目。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

ワイドスクリーンの中央に、テレビサイズのモノクロ映像で、お馴染みのあんかけの時次郎(藤田まこと)と珍念(白木みのる)が登場、そのうち、珍念がテレビサイズの枠から外に飛び出し、画面が広がりカラーになるオープニング。(これは1作目からの恒例)

ある宿に宿泊した二人は、財布を途中で落としてきた事に気付き、慌てて夕闇迫る街道を捜して戻っている内に、川に身投げしようとしている一人の娘を助ける。

娘はおそめ(梓みちよ)と名乗り、父親が、「ふらふら教」なる怪し気な宗教にかぶれて困っている事を告白。

時次郎と珍念が、くだんの寺に出かけてみると、フーテン仙人(上田吉次郎)を頭とするインチキ宗教が、サクラ(平参平ら)を使って民衆を騙している事に気付く。

偶然にも、同じ寺に忍び込んでいた鼠小僧(南利明)と共に、フーテン仙人らを撃退した時次郎と珍念だったが、ひょんな事から、感謝された檀家の連中から懇願され、珍念は五里巌寺の住職にさせられる。

おそめにも、良い仲の久松(安田伸)という男がいる事を知った時次郎は、一人ぼっちで途方に暮れる。

そんな時次郎が偶然にも道で再会したのが、早川佐太郎(谷啓)であった。

佐太郎の案内でその家を訪ねた時次郎は、満足に着るものもない女房(野川由美子)や、壊れる寸前のようなボロ家の様子から、佐太郎が貧乏のどん底状態である事を知るのだが、間に悪い事に、そんな佐太郎の元へ、清水の次郎長(ハナ肇)一行が訪ねて来る。(大政-藤木悠、小政-なべおさみ、森の石松-長沢純)

何とか、次郎長たちを接待したい時次郎と佐太郎は、夜の内に、一行の着物を盗み出し、それを元手に博打で一儲けしようと出かけたのだが、色っぽい女博徒、やっこのおまん(浜美枝)の手管に乗せられ、すっからかん。

後半は、時次郎が金を無心に訪ねた徳次郎(伴淳三郎)一家と、その時次郎に騙された神戸の長吉(石橋エータロー)に加勢する次郎長一家の大けんかをクライマックスとして描かれる。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

渡辺プロも協力しているため、植木等以外のクレージーの面々や梓みちよ、さらに若き日の加藤茶、また吉本の方からは、南都雄二や漫画トリオ(横山ノック元大坂府知事や上岡龍太郎)など、懐かしい顔ぶれが参加しているのが楽しめるが、テレビの完成度を知っている目で観ると、映画版の「てなもんや」は面白さにおいて、かなり落ちるという他はない。

何となく、全体的に散漫な感じを受ける。

テレビと映画は、しょせんは別物…と考えて、観た方が賢明だろう。