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新・猿の惑星

未来での話は、地球の消滅で、もうどう考えても続きはなさそうに思えたのだが、何と見事な逆転の発想で、ジーラとコーネリアスたち3人の猿が、ロケットで時間を遡り(科学的な説得力はないようだが)現在の地球に到着する。
つまり、一作目の「猿の惑星」の、全く正反対の面白さが生まれた訳である。
3人の猿が、人間と同じように言葉をしゃべり、高い知能を持つ事が分かった後、一躍、マスコミの人気者に祭り上げられるのだが、その裏で、彼らの存在を危険視した政府によって、その抹殺計画が秘かに進められていた。
そうした中、ジーラは妊娠している事が判明する…。
一見、苦し紛れのアイデアのように見えて、その実、地球が遠い将来、猿の惑星になる伏線作りにもなっている点がうまいと言うしかない。
作品後半は、安手の陰謀サスペンスもののような様相を呈してはいるが、マンネリになりがちの3作目の作品で、これほど見事なひねりを加えた例も少ないように思える。
一作目からキャラクターが際立っていた、ジーラとコーネリアスの存在があったればこそ、この3作目のアイデアが生きているのだ。
「猿の惑星」シリーズは、この3作目までは、十分に観るに耐え得る出来だと思う。