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ルパン三世
アルカトラズコネクション

ルパンに関しては、初期テレビシリーズと、劇場版の初期2作品が評価出来るくらいで、後は惰性で作られているのでは?…と、疑いたくなるくらい記憶に残る作品が少ない。
特に、テレビスペシャルとして、毎年のように作られているシリーズは、予算の少なさもあってか、脚本の散漫さと動画の荒さが相俟って、観た翌日には、もう記憶から消えかけているようなレベルのものが多く、お馴染みのキャラクターと会えるだけで幸せ…というような人や、とりあえず「暇つぶしになれば…」というような人以外には、あまりお薦めできるものではないように思える。
今回の作品は、カジノを開いている豪華客船から、有名なアルカトラズ島に秘められた謎が明らかになるまでの冒険がストーリーの基本になっており、相変わらず、色々目先を変えたアイデアは随所に取り入れてあるものの、どれも「悪ふざけ」の域を出るものではなく、ストーリー全体の緊迫感は相変わらず薄い。
このスペシャルものではいつもの事なのだが、悪役に魅力が乏しく、今回も、凝った設定や舞台を用意しているわりに盛り上がりに欠ける。
何より、この作品で気になるのは、栗田貫一以外のレギュラー陣の声が、そろって生彩がなくなっており、正直、今後の継続に不安を感じてしまった。
特に、五衛門と銭形の二人の声の衰えは、聞いていて寒気がする程で、故山田康雄さんの晩年を連想させて痛々しい。
もう、シリーズの限界にきている事は明らかだろう。
ひまつぶし程度の要求には、一応答えてくれる作品…ではあるが…。