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お嫁においで

1966年、本多猪四郎監督作品。

内容は、金持ちの息子、須山保(加山雄三)が街で偶然出会った、ホテルレストランのウエイトレス、露木雅子(沢井桂子)に一目惚れ、妹の洋子(内藤洋子)の手助けもあって、彼女に交際を求めるのだが、雅子の近所に住む病弱な青年(田村亮)の兄でタクシー運転手をしている野呂孝夫(黒沢年男)もまた雅子を好きになり、保と恋のライバル同士になる…という、軽いラブストーリーなのだが、この作品にも、有島一郎や飯田蝶子さんが出てくる。

有島一郎は、雅子が勤めるホテルレストランの支配人役。
雅子との付き合いを両親から反対された保が家出をしてしまったので、その責任をとらせようと、保の母親が、金持ち仲間(そのバカ息子役は七三分けの内田祐也さん)と共にホテル側にねじ込むシーン。

ウエイトレスにそそのかされ、保が家出したと文句をいう母親に対し、支配人(有島)思わず「え?保が…!」と呼び捨て。
変な顔をする周囲に気付き、「いや…保…さんが家出?」と言い直すのですが、これは明らかに、若大将シリーズを意識したギャグだろう。

一方、飯田蝶子さんは、雅子らウエイトレス仲間(松本めぐみさんもいます)に雑貨を売り付ける訪問販売員(?)役。
有島支配人は彼女のセールスを煙たがっていますが、実は昔は自分も彼女の世話になっていた…という設定。
飯田蝶子さんの方は有島支配人をどこか軽く見ている。

全編、「でこすけ」「でこすけ」と、加山、黒沢両人から身体的蔑称で呼ばれる内藤洋子さんも愛らしいし、孫の惚れた相手を独力で調べようとする、保の祖父役、笠智衆さんの活躍も楽しい。

「お嫁においで」「夜空を仰いで」など、ヒット曲も劇中で披露され、「若大将番外編」ともいえるような作品だと思う。