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大当り三色娘

東宝最初のシネスコサイズ「東宝スコープ」による第一作。
1957年度作品で、監督は杉江敏男。

▼▼▼▼▼最初にストーリーを書いていますので、ご注意ください!コメントはページ下です。▼▼▼▼▼

東京、下北原マーケットがある(下北沢の事か?)附近の高級住宅地が舞台。

各々、別々の家のお手伝いをしている3人の娘、踊りが好きな根室江利子(美空ひばり)、テレビ大好きミッチ−(雪村いづみ)、そして歌が大好きな小林とみ子(江利チエミ)が本編の主人公。

タイトルから明るく主題歌を唄う3人の姿が楽しい。

マーケットで友人のミッチ−と分かれた江利子は、自分が住み込んでいる家の息子、松井宏(江原達怡)に声を掛けられ、ミッチーが好きだと告白されます。

一方その頃とみ子は、マーケットで知らない女性から声を掛けられ、とみ子の買物籠の中に自分のサイフが入っているから返せと迫られます。
しかし、怪んだとみ子は、偶然通り掛かった警官達を呼び止め、そのスリ女を撃退します。

その女からサイフを取られた貧しい学生が、その夜、とみ子の手伝う家に礼に訪れた事から、とみ子はその相手を一目惚れ。
彼の名前は清洲肇(宝田明)といい、偶然にも江利子の家に書生として引っ越して来る事になります。

さて、宏とミッチ−が江利子宅で初お見合いする日、宏は庭で鼻を蜂にさされ腫れ上がってしまい、そのまま病院へ。

そうとは知らないでやって来たミッチ−は、「ジェームズ・ディーンそっくり」と江利子から聞かされていた言葉から、庭にいた清洲を宏と勘違い。
「ジェームズ・ディーンというより、宝田明そっくりね」などとまんざらでもない様子。

よせば良いのに、悪のりした江利子は嫌がる清洲をなだめすかし、宏の身替わりとして、ミッチ−に紹介してしまいます。

これがきっかけとなり、3人娘は、清洲を各々恋いこがれるようになってしまうのでした。
とみ子もミッチ−らと知り合いとなり、3人3様、夢の世界で清洲と唄い踊るシーンを観ます。

各々、シネスコサイズを生かしたお洒落な舞台美術が楽しめます。

ひばりは、長崎の「蝶々夫人」をイメージしたセット。
チエミは、霧のロンドンのイメージ。
いづみはウエストサイド物語風のセット…など。

さらに、とみ子のお見合い相手にと、叔父(左卜全)から紹介された缶詰め工場に勤める青年、吉岡信一(山田真二)が加わり、事は面倒に…。彼の母親役で浪花千栄子も登場。

ドタバタの末に、結局は3人とも相手が出来、ハッピーエンドへ。
ラストは、どこかの湖で水上スキーを楽しむ6人の姿(三色娘&各々の彼氏)。

 

▼▼▼▼▼個人的なコメントはここから下です。▼▼▼▼▼

水上スキーをしている娘達は明らかに吹き替えながら、別撮りでアップになる水着姿の3人娘の姿が珍しい。
特に、完璧な「サザエさんヘア−」をしている美空ひばりの映像は貴重なものといえるでしょう。