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みんな〜やってるか!

ギャグ映画としては完全な失敗作といわれ、監督自ら、創作に行き詰まった時は、この作品と「北京原人」を観て自信を取り戻す…と、自著に書いているくらいの出来です。
しかし、この作品、北野監督が若い頃、どういう映画を観て育ってきたかを伺い知る事ができる、別の楽しみ方があります。
作品前半は、古い浅草コントの寄せ集めみたいな作りで、面白くもおかしくもないのですが、途中から、邦画パロディみたいな趣向になっていくからなんです。
「日活の宍戸錠のアクション」「東映の高倉健の任侠もの」「大映の勝新太郎の座頭市」など、分かり易いパロディ(笑えないですけど)部分からは、北野監督の他作品への影響も推測され、大変興味深いと思います。
特に、昔、東映の大部屋俳優だった「チャンバラトリオ」がでてくるのには、個人的に感激しました。
さて、北野監督作品には、昔の東宝映画の影響がほとんど感じられないので、あまり観ていなかったのかな?…と、かねがね疑問に感じていたのですが、この作品ではちゃ〜んと登場します。
「透明人間」「電送人間」といった「変身人間シリーズ」から始まり、「地球防衛軍(隊長役は、小林昭二!)」から、お馴染みの怪獣ネタまで、特撮お馴染みのパターンがてんこ盛り。
巨大化したハエ人間を誘き寄せるために、川崎球場に集められた巨大な「雲古」!
その前で、南方の島民の踊りを模したフラダンスや、二人の女性コンビ「ハエハエガールズ」が歌う「ハエラの唄」、東京タワーも映りますし、怪獣撃退メカも登場!(タケちゃん、相当なマニア?)
大ラスには、バッタ人間が登場、小林昭二が驚きます。
これは、明らかに「仮面ライダー」のパロディでしょう。
この作品も、隠れた「特撮マニア」必見カルト映画ではないでしょうか?