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誰かさんと誰かさんが全員集合!

1970年に作られたシリーズ6作目で、この「全員集合!」シリーズは全部で16作も作られています。(志村けんが登場するのは13作目から)

▼▼▼▼▼ストーリーとコメントが混在していますので、ご注意ください!▼▼▼▼▼


水戸にある古い寺を借りて、「大日本無念塾」という若者相手の修行道場のようなものを営んでいる碇田長吉(いかりや長助)と、その門下生、加藤茶&仲本工事、近所のやぶ医者、荒井注(彼の女房役は若水ヤエ子!)、そして、碇田の妹(楠敏江?)を嫁にもらい、寺が経営するひばり保育園で働かされている高木ブー。
碇田は、尊敬する新田豪三(内田朝雄)という町の実力者から時々小遣いをもらい、寺を任されていたのですが、実はこの新田、実体は腹黒い男で、不動産屋の川上(上田吉二郎)や道路公団の男とつるみ、高速道路の予定コースを強引にねじ曲げ、古寺のある土地をインターチェンジに変えようと企んでいたのです。
当然、碇田たちには即刻立ち退いてほしいので、碇田を誹謗する記事をばらまいたり、陰ながら悪質な嫌がらせを始めます。
そんな中、一人の美女が寺に訪れ、保育園で働きたいと申し出てきます。
彼女は、結城令子(岩下志麻)と名乗り、不思議な事に、夜は、カトちゃんの恋人ミヨちゃん(早瀬久美)の家である料亭で、桃太郎と名乗る芸者となって働きはじめます。(同僚の芸者は、倍賞美津子)
何やら、客達の会話から情報を集めている様子…。
女房に逃げられ、今や二人の幼子を育てていた男やもめの長吉は、たちまち令子に一目惚れ!
自分達も令子に気があるカトちゃんたちは、偽のラブレターを書き、長吉の心をいたぶっていきます。
とうとう長吉は、令子と結婚できると信じ込み、式を執り行なう事に…。
結局、式の途中でこのいたずらがばれ、怒り心頭に達した碇田は、他の4人を警察に突き出します。
さて、この牢の中で、荒井注たちは、憎っくき長吉を「生体移植」しようと空想に耽るのでした。
ここから空想シーンが始まるのですが、いわゆる「医者コント」に、ちゃんと早瀬久美や岩下志麻さんらが看護婦役で参加しているんです。
差し出された臓器を見て、「これは何だ?」と尋ねる医者役の荒井注に、「タヌキのチンチン!」と、あの大女優、岩下志麻さんがはっきり答えたりしています!!(汗)
そして、改造された碇田の姿は…、何と北京原人(どちらかというと、東映版ではなく、「〜の逆襲」似)そっくり!(顔部分はメイク、身体は毛むくじゃらの着ぐるみ。股間にはタヌキの大キン○マが!!)
このシークエンスは「ドクターモローの島」みたいで面白い!
さて、実は令子の正体は、本当の寺の土地の所有者で、新田らの悪事を、恋人の新聞記者と組んで、暴こうと乗り込んできていたのでした。
令子は、毎朝新聞社の恋人に電話で判明した事実を報告します。
最初、背中越しに電話に出ていたその恋人が、話の途中で、くるりとこちら(観客席)に向き直ります。
デュワッ!!
何と!誰あろう、その恋人、村山ヒロシこそ、モロボシ・ダン!森次浩司さんではないですか!!
「ウルトラセブン」が1967〜8年の放送ですから、その直後の出演という事でしょう。
「ウルトラマンゼアス2」が、松竹初出演ではなかったんですね〜…。(唖然…)
後半、新田の手下達と格闘シーンがあります。
パンタロン姿で、森次さんと腕を組む岩下志麻さんの髪型やファッションは、どうみてもアンヌにしか見えません。(60年代後半の流行スタイルだったのでしょう)
ラスト、仲本工事が作ったガラクタ改造車に乗ったドリフの面々が、カーチェイスするシーンがあるのですが、時々、ミニチュア特撮が挿入されています。(コマ撮りなどもあり、かなりうまく出来ています)
爆発音などは、明らかに東宝系というか、「セブン」の頃の円谷プロのS.E.ですね。
この頃から、円谷プロと松竹は関係があったのかも…。
ジャンルファンにとっても、意外な拾い物でした、この作品。