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遠すぎた橋

近年、発達したデジタル技術を駆使して、また復活の兆しが見える「戦争映画」だが、一時期まではスペクタクルものの一ジャンルとして、数多く作られていた時代があった。
しかし「西部劇」などと同様に、時代の変遷に伴い、「単純な勧善懲悪娯楽」としては描き難くなって来た状況もあり、徐々に作品数自体減少していったのだが、この作品は、そうした時代末期に作られた「戦争大作の息の根を止めた作品」として有名(?)である。
はっきり言えば、膨大な予算を費やして作った割に、出来が悪かったのだ。
当然、興行成績もふるわず、この後、長らく「戦争大作」は作られなくなったように思う。
豪華キャストを迎え、ノルマンディー上陸後の大きな作戦(マーケット・ガーデン作戦)が素材になっているのだが、いかんせん、その作戦自体が最終的に失敗しているものであったため、観賞後の爽快感はなく、いたずらに「大掛かりだが大味な」アクションの連続になってしまっている。
この作品に主演していたロバート・レッドフォードも、この作品あたりを最後に第一線から退いていった感もあり、全体的に「空疎」な感じが漂う作品と言えよう。
そうは言っても、一応、予算をかけている大作だけの事はあり、今改めて観れば、それなりに楽しめるスペクタクルシーンもない訳でもなく、さほど期待せずに観れば、意外と楽しめるかも知れない。