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死者の学園祭

明らかにアイドルファンを当て込んだだけの低予算企画というしかあるまい。
往年の角川映画の新鮮さもなし、ストーリーは凡庸かつ冗漫。
元々、謎ときは映像化に不向きなものであり、よほど、映画的な見せ場(風光明美な情景描写とか、奇抜な殺人演出、あるいは豪華なスターの顔ぶれとか…)を付け加えなければ持たないものだが、低予算でそれらが不可能なため、アイドルの出演だけに頼っている点が致命的…というしかない。
全体的に演出も平板で、サスペンスも稀薄。
かつて、アイドルグループ「パンジー」を起用して作られた松竹+オスカープロモーションのサスペンス映画「夏の秘密」(1982)以来の駄作だと思う。
アイドル映画でも、作り方次第でいくらでも楽しく面白い作品ができるはずなのに、最近、とんと見かけないのが寂しい。
この作品を観て、アイドル映画や邦画を嫌いになる若い人たちが増えない事を願いたい。