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世界崩壊の序曲

「ポセイドン・アドベンチャー」や「タワーリング・インフェルノ」などのパニックムービーで、一時期衰退していたハリウッド大作を盛りかえさせた、プロデューサーのアーウィン・アレンが仕掛けた「柳の下の3匹目のどじょう」的作品。
1980年度の作品だが、すでに衰えていたブームに、さらの追い討ちをかけるような出来となっている。
キャストには、ウイリアム・ホールデンやポール・ニューマンといった、お馴染みの名優たちが揃っているのだが、何せ、話がせこい。
南海の島にリゾートホテルを建設中、地質学者のニューマンは、その島の火山が噴火直前である事に気付くのだが…という、それまでの作品とは異なり、いかにも、地域も登場人物も限定された内容になっており、予算の少なさをいや応なく感じさせられてしまう。
後半は、お決まりの「パニックシーン」の連続になるのだが、これまた予算の関係か、一つ一つの見せ場がアイデア不足に加え、イメージ自体もスケールダウンしているために、B級感漂う仕上がりになってしまっているのが、何とも寂しい。
この作品の後、「ベスト・キッド」で有名になる、ノリユキ・パット・モリタが、逃げまどう客の一人として登場しているのがせめてもの見所といえる。
単なる「暇つぶし」程度には、手ごろな内容かも知れない。