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故郷への遠い道
スタ−・トレック4

1987年、アメリカ映画、ハーヴ・ベネット+ スティーヴ・ミアーソ+ピーター・クリークス+ニコラス・メイヤー脚本、レナード・ニモイ監督作品。

前作で、エンタープライズ号を失ったカークたち一行は、クリンゴン艇で地球へ帰還しようとするが、その地球は未知の飛行物体のせいで、破滅の危機に瀕していた。
その飛行物体から発せられる音声が、すでに地球上では絶滅した鯨の声と瓜二つである事を突き止めたメンバーたちは、その物体とコンタクトを取るために、鯨を求め過去の地球へとタイムトラベルする。
ここからは、現代を舞台に、未来人であるレギュラーたちと現代人たちとの「カルチャーショック」具合が、コミカルに描かれている。
ロケを多用しているため、このシリーズ独特の「舞台劇」めいた閉鎖性がなくなっており、シリーズマニアならずとも素直に楽しめる冒険ドラマになっている点が、本作の最大の特長であろう。
「捕鯨反対!」「生命礼讃」というメッセージは単純ながら明快で、日本人が観てもそんなに抵抗感はない…と思える。
「スポック」事、レナード・ニモイの演出は、奇を衒わずおおらかで、ユーモラスに徹しているようで、全体として好感が持てる作りになっている。
SFマニアやシリーズマニアには、別の作品をベストに押す声もあるかも知れないが、少なくとも、一般の人が観ても十分に面白いと感じる秀作としては、この作品を推したい。
個人的には、シリーズ最高作だと感じている。