TOP

映画評index

 

サイドバー

SF巨大生物の島

ジュール・ベルヌ原作の映像化作品。
南北戦争の戦地から、気球にのって脱出した数名の兵士たちは、とある島に辿り着く。
その島で生活を始めた彼らの前に、突如巨大な蟹が出現し、格闘の末、食料にする事ができた。
その後、女性2人の漂着者を救出したり、海賊船の攻撃を受けたりするが、どうした事か、海賊船は謎の爆破を起こし、沈没してしまう…という不可解な出来ごとが起こる。
島での生活を続ける内に、巨大鳥、巨大蜂などの襲撃をかわすのだが、彼らはやがて、島の中に謎の基地を発見する事になるのだった。
その正体こそ、先の海賊船を秘かに撃沈していた人物…ベルヌ作品お馴染みの「あの人」であったのだ!
物語のクライマックスは、島の火山が爆発し、危険な状態になった中、脱出を試みようとする漂着者たちと、世捨て人のようになっている「その人物」の、葛藤ドラマに収斂していく。
一応、物語のベースは、ベルヌの話に基づいているが、本作の見所は、モデルアニメの巨匠、レイ・ハリーハウゼン一流の「ダイナメーション技術」によって動かされる、数々の巨大生物との戦いの場面に尽きるよ思う。
特に「蟹」や「蜂」は、本物と見まごうばかりの出来で、昔、某テレビ洋画劇場解説者が、「本物です!」と勘違いして喋っていた程である。
昨今のデジタル技術に見慣れた目には、ちゃちに写るかも知れないが、一コマ一コマ、手作業で動かしている驚異の職人芸は、今でも十分「センス・オブ・ワンダー」を伝えてくれると思う。
ファンタジー&特撮ファンには、必見の作品である。