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氷柱の美女

1950年大映作品。
江戸川乱歩の原作「吸血鬼」を映画化したもので、久松静児監督。
一人の未亡人をめぐって争っていた二人の男の一方が、恋に破れ自殺を遂げたかに見える。
しかし、その直後から、未亡人に対し、死んだはずの男名で脅迫状が届くようになる。
未亡人とたまたま出会った級友は、名探偵明智小五郎の助手であったので、明智に調査を依頼するが、彼は姿を現さなかった。
しかしその後、未亡人の館では、次々と怪事件が起こるようになっていくのだった…。
基本的には、怪屋敷での連続殺人事件ものだが、この作品では、その要素以外に、乱歩らしい「お化け屋敷での追跡劇」や「オペラ座の怪人」みたいな怪奇要素と通俗活劇趣味がふんだんに取り入れられており、単調になりがちなドラマに変化を付けている。
さすが古い作品なので、前半部分のテンポなどはのんびりし過ぎているようにも感じるが、明智が登場する中盤からは比較的快調に進む。
レトロミステリー&乱歩ファンなどには、興味深い作品だと思う。
明智に扮するは、岡譲二。