2003年12月・2004年1月

2003.12.7.  いつまでも秋じゃないから

まだ秋の名残りのそのままに
色づいた葉に雪が乗る
葉の一枚一枚に
まるでスプーンのように
律儀にひとすくいずつ
いつまでも元気に 枝に残っていたから
こんなプレゼントをもらってしまって
慌てて冬の仕度に取り掛かるかも
暖かだったこの秋の証人たちも
もう眠らないと春が来ないよっ…て

2004.1.17.  ねんりん

百年をも超える長いとしつきを
この木はずっと見てきたのに
とつぜん切りたおされた
その美しい切り口には
いくつもいくつもの輪
そのひとつひとつに歴史をきざみ
幾つの冬と幾つの夏を越えてきたのかを証す
それはこの家を見守り続けてきたあかし