2003年1月・2月

 

冬の海をながめて 2003.1.24  冬景色

こんなところから海が見えるなんて
今まで知らなかった
春夏には草がぐんぐん育ち
びっしりと生い茂り
生命に溢れた森になる
立ち枯れた草木の残骸と灰色の空と
くぐもった色した海
シンと静かな佇まいの冬から切り取った一枚の絵は
今だけしか開けない本の1ページ
捨てられた自転車 2003.1.24  かなしいじてんしゃ

そのじてんしゃは ぴかぴかしてた
とくいそうにのりまわすこどものかおも
きっとぴかぴかしてた
どうしてこんなところにうちすてられたか
じてんしゃはきっとしらない
のりてもないまま さびつき うごかなくなる
どんどんくちていく
かわいそうにおもったゆきが
そっとよごれをおおってあげた
じてんしゃは すこしあんしんしたけど
やっぱり かなしかった…
雪の花 2003.2.25.   待ちわびて

冬の終わりに雪が降る
重たく湿った春の雪
4,5日たってもちっとも消えず
木々にぼってり貼り付いて
青空に映える雪の花
春が来るのを待ちわびて
春が来るのを待ちきれず
満開の辛夷を真似てみた
春の盛りの真似をして
ほんのひととき夢を見た