チリシ無きとき
高校時代の友人の一人にO氏という漢がいる。
おっとりのO氏、おやじのO氏と呼ばれた時もある。
O氏は根っからのセガユーザーであり、筋金入りのクソゲーム愛好家である。
今回はそのO氏から聞いた逸話を越えた伝説である。
中学生の時だっと思うが、いつも通りに授業を受けていた。
その時は風邪を引いていたらしく、鼻水が止まらない状態だったという。
朝から全開でチリシを消費していくO氏。
そして運命の時は来た。
チリシが尽きたのだ。
「この非常時に事もあろうかチリシが尽きるとは、なんてこった!」
「この時間さえ凌げれば勝ちだ、しかしそれはほぼ不可能。」
なぜならあと40分もあるからだ。
そこでO氏は考えた、何かこの状況を打破すべき策はないかと。
長い授業で疲労している脳味噌がフル回転する。
そして、思い出してしまった。プライドをコストとして成せる業(ワザ)を。
過去より通例となっている、この事態に対応する手段があることに。
問題はこの一般ピープルたちの監視の目だ、だがこれは問題にはならないだろう。
なぜなら、古来よりの業への練度、経験が監視の目を回避する術を知っている。
緊急時だ、プライドにはめを瞑ろう。
そして、おもむろに鼻をかみはじめたのだ!
鼻水は要求に応えて体外に出てくる、それを受け止める掌!
鼻はすっきりしても掌には例のアレが付着している。
OK、問題ない
すべては御心のままに
掌をおもむろにポケットに突っ込むとニギニギと揉み始める。
まさにポケットの中の戦争!
チョバムアーマーをも破壊したチェーン・マインの如し(精神的に)
次第にアレは掌の中で乾いていく。
想像だに恐ろしい行為を繰り返し(!?)ながら時は過ぎていく。
そして授業は終了する。
その時の事をO氏はこう言っていた。
「いや〜、参ったねあのときは。」
「でもこれは小学生からやってたし!」
貴様は小学生からそれかい!