こちらに戦う意思がなくても向こうにあるのならば仕方がない。
 あなたは矛を構えた。その両脇を関羽と張飛が固める。

(関羽)「弟よ、決して兄者に手出しさせるな!」

(張飛)「おお! こんなどこの馬の骨とも分からん奴らに負けてなるものか!」

 張飛は丈八点鋼矛を頭上で振り回すと、鬼のような形相で若造達を睨み付けた。

 彼らも張飛が只者ではないことを悟ったのだろう。急に場は緊迫したムードになった。 どうやら本気にさせてしまったらしい。

 じりっ、じりっ……と敵が間合いを狭めてくる。張飛の息遣いが荒くなっていくのが 隣にいて分かった。こいつも本気なのだ。敵の集団がうまく統制されているのが分かったのだろう。 ただの不良たちではなさそうだ。おそらく日ごろから訓練をしているのだろう。

 敵の最前列にいた男が、張飛に飛びかかろうとした。張飛も待っていたかのように矛を突き出そうとする!

 しかしその時轟いた甲高い一声によって、敵の動きはピタリと止まったかと思うと、隙を見せることなく数歩後退した。

「野郎ども、何をしている! 下がれ!」

 声の主は2階から階段を降りてきた。背丈は小さく髭が長い。

(謎の男)「これはこれは。私の手の者がとんだ失礼をした。許してほしい」

 彼はあなたを一瞥した後、関羽と張飛を見て微笑んだ。

選択肢はありません
謎の男との対面