一方、袁紹の南にいた曹操も、袁術・呂布を滅ぼし献帝を許昌に迎え入れるなど、威勢を振るっていた。

　両者はこれまで身近にいた強敵を倒すために協力してきたが、その強敵がいなくなった以上、もはや暗黙の 同盟を結ぶ必要性は薄れていた。
　特に袁紹にとって曹操は、中原へ進出する際の通過道に過ぎなかったのである。

　そんな折、宮廷内で曹操の暗殺計画が発覚し、粛正が行われた。この計画に加わっていた劉備は事が露見す ると徐州太守を殺し旗揚げする。

　劉備は単独では曹操に対抗しきれないので袁紹に援軍を求めるが、袁紹は末子袁尚の病気を理由に出てこよ うとしない。
　曹操は郭嘉の進言に従って、優柔不断な袁紹よりも勢力こそ小さいものの人傑の劉備をまず攻めた。

　曹操軍に敗れた劉備は袁紹を頼って落ち延びたが、下ヒには劉備の家族を守る関羽が取り残されてしまった。
　関羽は城と共に討死にを決意するが、曹操配下で親睦のあった張遼が使者としてやっていると、劉備の家族に 危害を加えないことなどを条件に曹操に降った。
　この時、劉備の消息は分からず、もし劉備が生きて見つかった時は曹操の元を離れる約束を関羽は交わす。