長安の動乱

 董卓が長安で好き放題できたのは、天下無双の将軍、呂布の存在が大きかった。
 表向きは董卓に従っている振りをしながら董卓誅殺を目論んでいた王允は、この豪傑に目をつけた。

 そもそも呂布は名馬赤兎馬のために義理の父丁原を殺した男である。今は董卓に従っているものの、決して 忠節の士ではない。
 たまたま呂布が董卓の侍女に手を出していたため、王允は同郷のよしみで彼に近づくと、呂布の不安感を煽った。
 もし侍女と密通していることが露見すれば、殺されかねなかったのである。

 また呂布にして見れば、丁原を殺して董卓に鞍替えしたものの、決して待遇に満足していたわけではなかった。
 ついに呂布は王允の誘いに乗ると董卓を暗殺してしまう。

 これに驚いた李カク、郭シらは王允・呂布政権に帰順しようとするが、王允が彼らを許さなかったため、李カク達は 参謀の賈の進言に従い、一致団結して長安へ攻め上る。

 呂布は破れ袁術の元へ落ち延びていったが、王允は長安に残り、ついに李カクらによって処刑された。

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