セシウムの吸着性能100倍超のカーボンナノチューブ

カーボンナノチューブ(CNT)を使い、放射性セシウムを従来の約100倍の効率で吸着できる素材を、鶴岡秀志(信州大特任教授)と古月文志(北海道大教授)らの研究チームが開発した。福島県で1日800トンの汚染水を処理する実験に着手したという。

これまで、放射性セシウムの吸着に有効とされていた顔料のプルシアンブルー(PB)は、汚染現場で散布しても微粒子のために回収が難しく、実用化が難しかった。

同チームは、CNTが微細なメッシュ構造で取り込んだ物質を逃がさない特長に注目し、CNTとPBなどを組み合わせた新素材を開発、発泡性樹脂(スポンジ)に含ませた。このスポンジに汚染水を3回通したところ、97%以上の放射性セシウムを除去できたという。

使用後のスポンジは約500度で加熱すると、体積が1万分の1以下になる点も優れている。

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