省エネ新型液晶パネル

4月13日、シャープは省エネで高精細な新型の中小型液晶パネルの生産を、今年度中に生産能力の約7〜8割まで引き上げる方針を発表した。

同液晶はタブレット端末向けを中心に3月末から出荷を開始。年内にも自社製タブレット端末なども発売するほか、超薄型のノートパソコン「ウルトラブック」への需要も見込む。
最近、シャープは台湾企業と提携を発表したが、それによって工場の稼働率を高め、更に米アップルの「iPad(アイパッド)」などに供給するとみられる。

シャープはドル箱であった液晶や太陽電池の分野で今期大幅な赤字を計上しており、来期も赤字脱却の目処は立っていないという。液晶テレビ事業は、消費者の購入が一巡して業績不振に陥っているだけに、中小型に絞った消費電力の低いパネル生産は、大いに期待できるのではないだろうか。

モバイル需要は今後も拡大が予想されるが、家の中で使う機器と異なり、バッテリィで動いているため消費電力の逓減は使用時間を延ばすことに繋がり、ユーザーにとってのメリットは大きい。

新型液晶パネルはインジウムやガリウムなどの酸化物半導体(IGZO)を世界で初めて実用化し、液晶画面の表示を制御する部品を小型、細線化した。
従来の液晶に比べ、解像度が従来品比4倍となるほか、消費電力を5分の1から10分の1にできるとしている。

液晶分野は、ここ2〜3年、韓国のサムスンに押されており、日本企業の巻き返しに期待したい。

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