レーザー除染実験 放射性物質濃度を100分の1に

2012年3月のニュースより。

若狭湾エネルギー研究開発センターと日本原子力研究開発機構、西日本クリエイトなど民間3社は3月7日、廃止措置中の新型転換炉「ふげん」(福井県敦賀市)で、小型レーザー除染装置の実証試験を始めた。

同装置は平成21年、県のエネルギー研究開発拠点化計画の一環で開発を開始したもので総額約900万円。レーザー光線を毎秒10メートルの速さで左右に揺らし、ゆっくりと上下に動かすことで凹凸面にも対応できる世界初の技術としている。

レーザーを約5分間当てると、放射性物質による汚染濃度を100分の1まで減らすことができ、放射性廃棄物の減少にも貢献するという。

この日、ふげんの腐食試験装置の一部(縦3・5センチ、横3・5センチ、厚さ1センチ)にレーザーを当て、実際に除染がどれくらいできたかを調べた。  同センターの峰原英介研究開発部長は「今年1年以内に、この装置を使った除染サービスをビジネス化し、将来は商品化を目指したい」と語った。

大きな可能性を秘めているのが、ひとつ気がかりなことがある。放射性物質と一言で言っても様々な種類があるが、そのどれに対しても効果があるのか明確に書かれていないことだ。例えば、原発問題への対策であれば、いの一番に「セシウムに効果がある」と書かれて良さそうなものだが、放射性廃棄物と濁している所に、一筋縄ではいかない印象を受ける。

また、設備そのものは900万円ということだが、ランニングについては今のところ未知数だ。もちろん、土壌汚染を含め、大量に発生した放射性廃棄物の濃度を下げるためには予算を惜しんではならないが、高額であれば当然時間がかかることになる。

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