タワー集光型太陽光発電システム(CPV)

2012年3月のニュースより。

横浜で太陽エネルギー発電の技術開発拠点「ソーラーテクノパーク」がオープンした(JFEエンジニアリング社製作)。タワー集光型太陽光発電システム(CPV)の実証プラントで、名称は「ハイパーヘリオス」。

87基のヘリオスタット(太陽追尾式ミラー)が反射した太陽光を高さ20メートルのタワー上部に集めるのが特徴。

タワー上部のレシーバーには、2次集光レンズの後方にソーラーセルが配置されており、直接発電を行う方式になっている。

セル発電効率は従来型シリコン系太陽光パネルの2倍で、約800枚の円形ミラーを搭載したヘリオスタットを独自の形状に配置することで実現したという。非常に高温になるレシーバーは、鉄鋼業用の技術を応用した水循環システムで冷却している。冷却水は循環使用するので、水量は最低限で済むという。

ちなみに、この方法で発電効率を決める重要な要素は、ミラーの精度である。ミラーの表面に僅かでも凹凸があると集光効率が落ち、発電効率も落ちてしまう。オーストリラア日本は高精度のミラーを作る技術を持っているのが強み。

太陽光発電は効率が悪く、コストメリットが常に課題にるが、脱・原発を将来の姿とした場合、短期的には火力発電所で電力をまかなうとしても、化石燃料はCO2輩出のほか、中東の不安定な情勢や新興国の需要拡大で石油は今後も価格上昇が続く可能性が高いため、原子力・火力発電に代わる発電の開発は急務である。

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