我輩はグランドマザコンである。
そう、僕は「すっげーマザコン」である!!
……
……!
……!!
ちがーう!!
グランドマザー、つまり"おばあちゃん"である。僕は正真正銘のおばあちゃんっ子なのだ。
人には誰しも忘れられない人がいるものです。僕の忘れられない人は僕が幼稚園に入る頃亡くなりました。
その病名は今でも耳にするだけで不安な気持ちになるし、はっきり言って恐怖感を覚えてしまいます。
母の兄弟は8人いますが内7人が女。しかも両親の初めての子供が女の子だったこともあり、男の子は生まれない
家系と失望していた時に生まれた男児が僕でした。
よって、共働きの両親に代わって、幼い僕は祖母の愛情を一身に受けたのであります。
そして60代前半というあまりに早い死。僕は今でも棺が家に運ばれてきた"画像"を覚えている。父の背中が玄関
を入ったところでターンし、叔父の暗い表情が棺の上に見えた。僕は初めて(だったと思う)棺を見たのに、その一瞬
で祖母の死を悟った。それには父も驚いたと後日語っている。なぜか、ぴんときてしまったのです。
寝室の隣にあるトレイにさえ夜は一人では入れなかった臆病者が、「おばあちゃんの幽霊なら恐くない!!」と心底
思ったものです。
そしてみゆきさんはファザコンである。そうご本人が豪語している。彼女もまた、若くして父を亡くしているのだ。
なんか似ている気がした。好きな人と何か似ているというのは嬉しい。たとえ辛い思い出でも。
もし今、祖母が生きていたなら、車の助手席に乗せて好きなところに連れて行ってあげたい。受けた恩の少しでも
返す機会が欲しかった。
そしてみゆきさんもまたきっと同じ気持ちなのだと思う。グランプリで優勝した直後、やっと恩返しできる時に、
父親に亡くなられているから。
人生は思い通りにはいかないものです。今回はしんみりしたお話しでした。
P.S.……ということで、僕がおじいちゃんになる20年前に、みゆきさんがおばあちゃんになっても、僕はOKです。