中島みゆきに魅せられて
彼女の図太くか弱い歌声を僕が初めて聞いたのは、テレビドラマの「家なき子」を見たときだった。
芸能音痴の僕は、その歌声を聞き、この"新人"は将来、必ずビッグになる、と予感したものである。

正確に言うと、僕は彼女のセカンドシングルである「時代」を、子供の頃からふとした時に口ずさんできた。 しかし、歌い手の名は勿論、曲名すら知らなかったのである(それで20年余り覚えていたというのは、凄いことかもしれない)。

その、時間の流れにも色褪せない彼女の魅力はなんなのか? 考えることは愚かなことかもしれないし、 おそらく「みゆきさん」もその答えを望んではいないだろう。 でも、あえて言うなら、圧倒的なパワーと、そのパワーの源である愛情である。
あの図太い声と逞しく思える前向きな視線に、「励まされている」ような錯覚(?)に陥りつつ、 同時に辛いことがあっても決して弱音を吐かない彼女を、「守りたい」などと感じてしまうのだ。

強い人」には2種類いる。1つはあまり事を深く考えない「鈍感な人」。 そしてもう1つは、痛みを感じてもプライドや回りの人が弱音を吐くことを許さぬために突っ張ってしまう「強がりな人」。

アーティストをやっている「みゆきさん」が鈍感なはずがない。

そう思うと、僕は今夜も南の空を見てしまうのである(笑)。
(ちなみに僕の部屋は南向き。東京も同じく南)

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