種苗とはその名の通り種や苗のことである。そして遺伝子組み換え食物の種苗は、世界で数社
しかない化学会社によって供給されているのが実態だ。 その一方で品種改良された食物はもともと生殖能力が弱く、種子を撒いたり苗を植えたりしても、 不揃いになることが多いことからとても農業としては成り立たない。結果として、農家は寡占状 態にある遺伝子組み換え食物開発会社から毎年種苗を買うことになる。 元々一般の植物に比べて生産性を上げることを目的に開発された組み換え植物であるから、 非遺伝子組み換え植物が価格競争で勝てるはずがない。つまり農家は否応無しに化学メーカーから 種苗を買わなくてはならなくなる。これでは農家は企業の下請けであり形を変えた 「小作農家」であると言えるだろう。世界中の農家がアメリカの小作人になると言っても 過言ではない。 遺伝子組み換え食物が普及すればするほど企業は発言権を増し、特定の一部企業によって 全世界の農業・食料市場を支配されてしまう危険性をはらんでいる。 |