本日の御題:2000年問題から資産を守ろう
  ◆2000年問題で株価は低迷!?
 東証が18000円台を回復し、日本経済にも明るい兆しが見えてきた感がある。事実、設備投資・雇用情勢はともかく、 最近発表された日銀短観によれば今後の見とおしを上向きだと答えた企業がさらに悪くなると答えた企業より上回るなど、 平成不況を脱しそうな数値が上がっている。
 ただし、問題はある。1つは株式の保有金額で日本の銀行が海外の投資家を初めて下回ったこと。つまり流動性の低い 銀行の保有量が減り、流動性が極めて高い海外投資家の保有量が増えているのである。
 日本企業のリストラクチャーを期待して買いに走っている海外投資家の目は日本の銀行に比べて非常に厳しく、ちょっ とした信用不信や起爆剤があれば、あっという間に下落してしまう危険性をはらんでいる。

 もう一つが、2000年問題だ。これは日本だけに言えることではないが、欧米に比べて日本や東南アジア諸国は対応が 遅いと指摘されている。このような状況が続けば、回復基調にあるアジア諸国の株が信用不安によって海外に流出して しまう恐れがある。
 例えばマレーシアやフィリピンなどのどこか1カ国で起これば、投資家のマインドが急激に悪化し、たちまちその余波 は香港・韓国・中国などを伝って日本にまで及ぶだろう。

 年末にかけて(第4四半期)は充分注意されたし。


◆資産はどこに預けるか
 あくまでも個人の場合であることをまず断っておきたい。

 株価は9月まではジリジリ上がるものの、その後割高感と2000年問題のためにおそらくそれ以上は上がらないと考えら れる。日本の景気回復が完全になったわけではない(設備投資と雇用機会)ことからして、20000円の大台を越える力はない だろう(瞬間的には越えるかもしれない)。
 不安定な時期の投資先としては、株式はあまりにリスクが高い。

 ではやはり預金かということになるが、普通預金は金利がただみたいなものだし、しかも完全に2000年問題に対応で きない。たとえば2000年問題によって銀行のコンピュータが誤作動を起こし、預金残高が0になってしまったとしよう。 こんなときの為に通帳に記帳しておけばいいと思うかもしれないが(事実、一部報道ではそういう言い方をされていた)、 普通預金の通帳は記帳した後いくらでもカードで出し入れができてしまうことから、残高を証明するものとしては不完全 であるのは明白だ。

 筆者は定期預金をお勧めしたい。しかもできることなら郵便貯金がよい。
 第一の理由は、定期預金の場合、証書がついてくるため、金額を証明できること。勝手に貯金したり下ろしたり できないため、証拠として威力を発揮する。

 第二の理由は、郵便貯金は半年後は自由に出し入れができるということ。あくまでも2000年問題を回避するために 貯金するというならば、フレキシブルに対応できるほうがいい。

 人によっては、そんなに心配する必要はないと言うかもしれない。しかし、金額が金額だ。車を買える金額を失うリスク には、万全の対応が要求される。念には念を入れてというわけだ。
 ちなみに筆者は7月のボーナスを含めて普通預金にある金額の多くを、実際に定期預金に移す予定だ。

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