本日の御題:組織犯罪対策法案〜【追記】
  ◆外部にチェック機構を!
 先月、コラムにて組織犯罪対策法案について論じたが、実は1つ書き忘れてしまったことがある。
 それは、同法を運用する上で、その検査をする機関の存在である。

 確かにNTT職員が立ち会うことにはなっているが、たとえ違法な運用をされてもそれを抑えることができない のはすでに話した。
 そして、この法案で最も恐ろしいのは、盗聴対象が決して(本人にさえ)明らかにされず、証拠として裁判所に 提出されることを除き原則として明らかにされないことだ。
 これでは、たとえ一警官が違法な運用をしたとしても、警察は身内意識からおそらくこの不正を隠すだろう。
 つまり、指示を出す者(組織)と実行する人間(組織)が同じであることが問題なのだ。

 いい例がある。以前、共産党幹部の屋敷が警察によって盗聴されるという事件が起こったことがある。しかし 警察はあくまでもしらを切り事実を否定し続けた。同じようなことがこれから起こらないとどうして言えよう。
 組織はその維持の為に、嘘をつくことを厭わない。これがより実行力のある第三者のチェックを必要とする理由だ。

 同法が施行されたばかりの頃は緊張感もあって、おそらく違法な運用はされないだろう。
 しかし、時が立ち、次第に盗聴する側に慣れが生じ始めると、今のままでは乱用される可能性が十分ある。
 そして往々にして、事件が起きてから、「外部の第三者によるチェック」を導入 しようと騒ぎ出すのだ……。

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